愛を教えて欲しくない
「ふふ目見開いちゃって、かぁわいい」
しばらく幼馴染の顔をただ呆然と見つめていると、さっきまでの膨れ顔はどこへやら。
すぐにご機嫌になって、いたずらっ子みたいな顔で笑った。
私は小さく深呼吸をしてから、本来ここにいるはずのない目の前の幼馴染へ問いを投げかけた。
「なんでここにいるの」
「まず最初に俺の質問に答えてくださーい」
いると分かってはいたが、いざ目の前にするとやはりどうしてだ、という疑問がグルグルと脳内を駆け巡ってはてなもついていないような愛想の悪い問いかけをしてしまった。
だがそんなことを気にする素振りもなく、浮かべていた微笑みを崩さずそのまま椅子の背もたれに掛けていた私の手を取った。
嫌なことでもあったの?と首を傾げて、俺まなちゃんにほっとかれて寂しかった、としょぼくれる姿が子犬のようで思わずうっ、と意表を突かれる。
眉を下げて困ったような瞳で問いかければ、私が大抵の事は吐くと分かっていて、実行してくるのだからたちが悪い。
「ちがうよ、校長の話がつまんなかったなって思ってただけ」
私を見つめる真っ直ぐな瞳に悟られないよう見つめ返して笑ってみせた。
「ふぅん、そうですか、」
全く納得のいっていないというような顔でこちらを見てくる視線に気づかない振りをして、先程突っぱねられた質問をも一度投げかけた。