何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
時刻は深夜。日付が変わった頃。
上弦の月が暗闇を照らしていた。
ギー
簡単には開くはずのないその扉が、不気味な音を立てて開いた。
「なんで開けた?」
月斗は、なんのためらいもなくその扉をくぐり、部屋へと足を踏み入れた。
その部屋は、城の中でも禁断の部屋と呼ばれていて、限られた者しか足を踏み入れてはいけない場所。
しかし、鍵も持っていないのに、その扉は月斗を招き入れるかのように開いた。
月斗は、今回は前のような失敗はしないよう、夜にこっそりとこの城に忍び込んだ。
何度か城に捕らわれた事のある月斗は、その度にこっそり牢を抜け出し、城の中を散策し、この場所を突き止めていたのだった。
「…あんただと思ったから…。」
冷えきった青の声が暗闇に響いた。
「…なんで、天師教のふりなんかしてんだ…。」
月斗は早速その事についてた尋ねた。
モタモタしている暇はない。
いつ誰に見つかるかも分からない彼に、時間はない。
「さあ?国を守るため?」
青は、どうでもよさそうに嘲笑いながら、そんな風に答えた。
誰がお前に真実を話すかと言わんばかりに。
上弦の月が暗闇を照らしていた。
ギー
簡単には開くはずのないその扉が、不気味な音を立てて開いた。
「なんで開けた?」
月斗は、なんのためらいもなくその扉をくぐり、部屋へと足を踏み入れた。
その部屋は、城の中でも禁断の部屋と呼ばれていて、限られた者しか足を踏み入れてはいけない場所。
しかし、鍵も持っていないのに、その扉は月斗を招き入れるかのように開いた。
月斗は、今回は前のような失敗はしないよう、夜にこっそりとこの城に忍び込んだ。
何度か城に捕らわれた事のある月斗は、その度にこっそり牢を抜け出し、城の中を散策し、この場所を突き止めていたのだった。
「…あんただと思ったから…。」
冷えきった青の声が暗闇に響いた。
「…なんで、天師教のふりなんかしてんだ…。」
月斗は早速その事についてた尋ねた。
モタモタしている暇はない。
いつ誰に見つかるかも分からない彼に、時間はない。
「さあ?国を守るため?」
青は、どうでもよさそうに嘲笑いながら、そんな風に答えた。
誰がお前に真実を話すかと言わんばかりに。