何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
士導長は皇后の問い詰めに観念し、天音に関する事全てを話した。
「どうか…皇后様の胸の中に、閉まっておいて下さいませ。」
士導長はゆっくりと、静かに頭を下げた。
「…。」
皇后は黙って視線を落とした。
その話が皇后の顔を曇らせた事は、言うまでもない。
「…あなたは誰を妃にするつもりなの…?」
今聞いたその話が事実だとしたら、彼は一体誰を妃にするつもりなのだろうか…。
それは、天使教の未来に大きく関わる。
そしてもう一度、皇后がすがるような目で士導長を見つめた。