何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「これは夢…?」
天音が何か違和感を感じて、そっと目を開けた。
「違う。夢…じゃない…。」
ボー
今はしっかりと開いている天音の目には、遠くに赤い炎が確かに映っていた。
「燃えてる…。」
天音はなぜか、中庭の池の前で横たわって、眠っていたようだ。
部屋で寝ていたはずなのに、なぜこんな場所にいるのか…。
それは、天音にもわからず、ただその光景をぼんやりと眺めていた。