何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「おっさん!!」
りんは、人々を救護している辰を見つけて、思わず駆け寄る。
今、頼れるのは城の兵士である辰だけだ。
「どうした?」
りんの焦った様子に、辰はただ事ではない事を瞬時に感じ取った。
「天音がおらん!!」
「何?」
りんの言い放った言葉に、辰が眉間にしわを寄せた。
「まだ城の中におるかもしれん…。」
そして、りんが神妙な面持ちで辰を見た。