何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「災いだ…。」
「天師教様、お助けを。」
その頃、町は未だ混乱していた。
城が燃えたという恐怖心は、しっかりと民衆達へ植え付けられ、その恐怖心は簡単には消えなかった。
—————神話の世界は終わった…。
天師教の力だけでは平和は保てない。
この火事は、まるでそれを予言しているかのようだった。
「天師教が何してくれるんや…。」
りんはそんな町民達の様子を見て、その言葉を小さく吐き捨てた。