何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】


「お…前…。」

目の前に立つ人物に、シドは固まったまま動かなくなり、目を大きく見開いて見せた。

「よー、シド!わいを仲間にしてくれへんか?」

シドの前にふらっと現れたのは、今日もニカッと笑うりんだった。
城下町を出たりんは、反乱軍の本拠地を訪れていた。

「…どうして、ここに来たんだ。」

あの時は断ったはずのりんが、なぜここまで来たのか。シドは頭の整理がつかない。

「やっぱ、わいは見てるだけは、性に合わへんからなー。」

そう言ってりんは、悪戯っぽく笑って見せた。
ウジウジ悩んでいるのは、自分には似合わない。
そう考えたりんは、行動に移すことにした。
反乱軍と行動を共にする事を、国と敵対する事を彼は選んだのだ。

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