何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】

「天音。」

その声に呼ばれ天音が振り返ると、星羅を見送った華子が、すぐそこに立っていた。
華子がこの池に来るなんて初めての事で、天音は驚きの表情を浮かべていた。

「華子?」

「…恋してるでしょ?」


華子が何の前触れもなく、唐突にその言葉を口にし、優しく微笑んだ。

「え?こい?えさならあげてるよ。」
「クスクス。」

しかし、天音から返ってきたのは、的外れなそんな言葉だった。
そんな天音を見た華子が、声を出して笑った。

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