何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
やっぱり私には付けられなかった。あの十字架のピアスは…。




「なぜあのピアスを天音に返した?」

男は怪訝な顔でかずさを見た。

「…だってあれは大事なもの。」
「…。」
「大切な印でしょ?」

かずさは同意を求めるようにもう一度そう言って、ほんの少しだけ微笑んだ。

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