何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「あーつまんない!!」
華子が大声を上げて床に寝転んだ。
「突然、天師教様と会うのが延期になったし!」
京司はいなくなった。
「天音もどっか行っちゃったし!」
天音もいなくなった。
「…だって天師教はもういないんだから…。」
星羅がボソッとつぶやいた。
そう、星羅には分かっていた。
彼にこの城は似合わない。自由に外を駆け回る彼の姿を知っていたから。
「ん?」
華子が寝転がったまま、星羅を見上げた。