何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
数日後


「天音…。」

京司が、その名を消え入りそうな声で、そっとつぶやいた。
あの演説の日以来、京司は部屋に鍵をかけられ、外には出させてもらえなかった。
それは、これ以上勝手な行動を起こさせないようにするための罰。
もちろん、あの池にも行けない。

そして、気がかりだった。
天音が本当に、この城に戻ってきているのか。
もう一度、彼女に会う事ができるのだろうか…?
そんな事を考えながら、京司は、天音にもらった十字架のネックレスを見つめていた。


『約束』



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