何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「ご苦労様。」
彼へのねぎらいの言葉を口にし、かずさはベットの横の椅子に腰かけた。
「…。」
「天音を変えたのは、あなただったわね。」
「違うよ。」
今日も、ベッドから上半身を起こして座っている青は、窓の外からちょうど見えている月へと視線を送っていた。
「僕は天音を信じるよ。」
電気もついていない真っ暗な部屋に、月の光だけが注ぎこむ。
「彼女は重い十字架に耐えられると?」
かずさが少し声を低くし、それを青に投げかけた。
「ああ。天音なら。」
そこには、この部屋で涙を流していた青はもういない。
その眼差しには、もう迷いがなかった。
「あなたは…?」
「…。」
その答えが返ってくる事がない事を、かずさは知っていた。
そして静寂だけがこの部屋を支配する。
「天音はあなたが思っているほど、強くはないのよ…。」
「でも、君が思っているほど弱くもないでしょ?」
月の光に照らされた青の顔が、柔らかな笑顔を見せた。
彼へのねぎらいの言葉を口にし、かずさはベットの横の椅子に腰かけた。
「…。」
「天音を変えたのは、あなただったわね。」
「違うよ。」
今日も、ベッドから上半身を起こして座っている青は、窓の外からちょうど見えている月へと視線を送っていた。
「僕は天音を信じるよ。」
電気もついていない真っ暗な部屋に、月の光だけが注ぎこむ。
「彼女は重い十字架に耐えられると?」
かずさが少し声を低くし、それを青に投げかけた。
「ああ。天音なら。」
そこには、この部屋で涙を流していた青はもういない。
その眼差しには、もう迷いがなかった。
「あなたは…?」
「…。」
その答えが返ってくる事がない事を、かずさは知っていた。
そして静寂だけがこの部屋を支配する。
「天音はあなたが思っているほど、強くはないのよ…。」
「でも、君が思っているほど弱くもないでしょ?」
月の光に照らされた青の顔が、柔らかな笑顔を見せた。