何の取り柄もない田舎の村娘に、その国の神と呼ばれる男は1秒で恋に落ちる【後編】
「医者を呼べ―!!」
辺りは、騒然としていた。
京司はすぐ様担架に乗せられ、上の階にある医務室へと運ばれた。
「天師教…。」
皇后はその光景を目にし、腰から崩れ落ちる。
「皇后様下がってください!」
官吏が困惑する皇后を天使教の元へと近づけさせぬために、彼女の行く手を阻む。
「京司…。」
そして皇后の震える唇は、小さくその名をつぶやいた。