私を赤く染めるのは
閉じ込めていた想い
碧人くんに告白されてから3週間。
碧人くんはあの日言ってくれた通り、本当に返事を急かすことなく待ってくれていた。
……とは言っても、いつまでも碧人くんの優しさに甘えるわけにはいかない。
だから私は今日、碧人くんを呼び出した。
あの日の返事をするために。
煌への想いは完全に断ち切れたのか?と聞かれれば、決してそうではない。
けれど、碧人くんと過ごす中でこの穏やかな時間を大切にしたいと思ったのだ。
今の素直な気持ちを全部伝えて、碧人くんと一緒にいたいことを伝える。
ふぅ、と呼吸を整えていると、インターホンが鳴った。
「いらっしゃい、碧人くん」
「お邪魔します。これプリン」
約束の時間になると私が食べたいと言っていたプリンを手土産に碧人くんが訪れた。
そのプリンを冷蔵庫にしまいながら大きく深呼吸をする。
へ、返事をするタイミングっていつ!?
今は急すぎるのかな?
この後、一緒に夕食を食べてテレビを観て……そうだデザート!デザートを食べたら言おう!
そう決めた私は平静を装い、碧人くんに夕食を振る舞う。
その後、ハチがゲストのドッキリ番組を観ていたら1時間が経過していた。
「碧人くんが持ってきてくれたプリン食べよっか?」
「ああ、そうしようか」
ついにこの時間がやってきた。
2人揃ってプリンを口へと運ぶ。
美味しい。美味しいけどプリンなんてすぐ食べ終わっちゃうよ……!