激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

そのついでに、段ボールにタオルを入れて、その中に犬をいれてくれていた。

「親が引っ越しで使った段ボールが残っていてよかった。タオルは三枚で足りるか?」
「十分だと思います」

そのままモップみたいな犬はその日のうちに病院で診察してもらい、飼い主を探してみたものの現れず――彼が引き取るのだった。


  ***

 『Madonna』との打ち合わせは問題なく進んでいた。

 今は、先方の希望の香料を注文していて、それが納品されたら調合できる段階だ。今まで社長が渋っていた高級な香料や、郵送代の方が高額な輸入素材も頼めるので、研究室の同僚たちと喜びをかみしめていた。

 そしてもう一つ。

 私の部屋の郵便ポストが壊されていたので写真を撮って美麻に送信。
 親には今後家に来たら警察に連絡すると、弁護士経由でお願いしたらその日に家にやってきたので、引っ越しを決意した。
 美麻のお兄さん曰く、話が通じないらしい。美麻のお兄さんも若いので舐められてしまっているらしく、弁護士事務所の社長が強めに注意してくれたので家に暫くは来ないと思う。
 破損した郵便ポストは、慰謝料を貰った私が修理するのは当然と主張しているとの話。
 もしかして私は、あの家の本当の家族ではなく養子か拾われたのではないかと疑問に思う。
 姉は定職につかなくても親が偶にお小遣いあげてたし、家事を手伝えば褒めていたのにこの落差よ。
 引っ越し代は結婚式に貯めていた貯金からできるので、今は急いでマンション探し中だ。
 色々と面倒くさい中、唯一の癒しは宇柳さんの実家に迷い込んだモップの存在だった。
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