激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
ベランダが少し開いていて風が靡いていた。寒いといけないので閉めて、リビングへ向かう。
すると、本を持った手を床にぶらんと落とし片手を胸の上に置いて宇柳さんが眠っていた。
「ぷっ」
慌てて口を押えたけど駄目だ。モップも、宇柳さんの上で片手を下げて、胸の上に手を置いている。同じポーズの二人に思わず笑いが込み上げてくる。
すぐに写メを取ると、クスクスと笑う。ああ、こんな日常も素敵だろうな。
寝室からタオルケットを持ってきて一人と一匹にかけて、座って二人を眺める。
……愛しい。
ぶわっと胸に広がったのは、そんな言葉。
気づいた瞬間、じわりと視界が滲んでしまった。
優しい彼の隣に居たら、凍てついていた私の心がどんどん溶けて温まっていく。
恋愛なんて辛いだけだって逃げていたいのに。
モップと一緒に眠っている、無防備な彼を見たら涙が込み上げてきた。
地獄を一度見たくせに、私はまた人を好きになろうとしている。
優しい彼が、好きだ。平気で甘い言葉を吐き強引になるくせに、絶対に触れる手は優しい。
そして、強引なくせに私を見ている。無理強いはしてこない。
無防備に眠っている彼がたまらなく愛おしかった。
どうして、いつの間に、こんなに気持ちが溢れてきたんだろうか。
彼の指先が私の身体の奥を刺激するから、私も知らなかった感情が噴き出てくる。
そんな感じ。全部、初めては彼に暴かれている気がする。
全部思い出して初めての日がよみがえれば、彼が私を思ってくれることに納得できる。
「……限界だな」