激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
「先に入籍して大丈夫なの?」
「祝賀パーティで帰国するから、そこで挨拶すればいい。うちの親は姉の件でもう俺に好きにしていいとかなり寛容だから」
寛容というか、聖さんには絶大な信用を寄せてそう。
それはそれで緊張してしまう。
好きな人と結婚するってだけなのに、色々動かないといけないことが多いなんて面倒だ。
***
『今日は姉と会ってくる。落ち着いたら紹介するよ』
昨日、渋々教えてくれたのは、お姉さんが売れないギタリストに惚れこんでいる可能性があるのと、みどりちゃんと言う十一歳の姪っ子が心配なので、様子を見にいくらしい。
私は、少しでも印象が良くなるように彼の実家の家の中の風通しして簡単に掃除しとくことにした。
流石に夜の風は冷える。自転車で寒風を浴びた身体はすっかり冷え込む、自分の肩を抱きながら温室の鍵を出す。貰っていて良かった。中でちょっと暖まろうかな。
門の前に自転車を止めようと正面から入ろうとして、人影に気づいた。
正面の鉄の柵に両手を置いて、まるで中を覗き込むように立っている。
怪しい行動だけど、その横顔はかなり幼い。私みたいに中の庭の花を見ているだけなのかもしれない。
「あのう、中がどうしました?」