激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

今朝のことを、だからなんで今、蒸し返してくるの。

「……もう日課なんだから、諦めてよ」


 馬鹿、と小さく言ったら怒らずにまた笑った。
 匂いも含めて好きなんだから、諦めて。着ていたシャツを抱いて、眠ったっていいでしょ?
と、注目は感じるのに、気を使ってか誰も話しかけてこない。良いのかな、一応、主役である副社長  の彼を私が独り占めして。
 視線は感じるけれど誰も話しかけに来ないあたり、気を使ってくれているんだと思う。

 今から彼は、祝賀会のお礼の言葉のあとに、正式に会社を継ぐことを公表する。
 それに対して少なからず緊張しているようだった。
 けれど守りたい人がいる方が、強くなれると豪語する彼を私は信用している。
 ――だから。
今朝、私は『宇柳美優』になった。
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