激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす

 カクテルを四杯飲んだところまでは記憶があるのだけど、なんでだろう。

 この人が襲ってこない自信もあったし、襲われてもそれはそれで自分が悪いしいいのかなと、ふわふわした気持ちもあった。

 沢山話してすっきりした私は、彼にロビーまで送ってもらったのは覚えているんだけど、その後ここまで運ばれた記憶はなかった。

「偶には、羽目を外していいと思うよ。俺の前だけ」
「……どこから感謝していいのやら」

 もしや私を抱くほど女性には困ってないから、本当に親切心だけで行動してくれたのかなって思ってしまった。

 それともこのまま臓器販売の為に拉致されてしまったりして。

 そんな心配は、彼が私に化粧落としやタオルをくれ、甲斐甲斐しく世話を焼いてくれるのを見て吹っ飛んでいった。

 ごろごろとベッドで眠っている間、彼はデッキへ出てパソコンを開いて電話している。
 私に背中を向けて、どこまでお人よしなのだろう。

 私みたいな、酔っ払って面倒くさい人を拾って。彼は善意の塊の良い人なのだろうか。

「あのう、一度、自分の部屋に帰ります」

 電話を終えたのを見計らってそう伝えると、振り返ってくれた。

「ああ。具合は?」
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