激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
真っ青な空に、日本では見たことがないぐらいのコバルトブルーの海。
サンダルを脱ぎ捨てで足を浸らせると、すぐ横を魚が泳いでいる。
「こっちに」
強引に連れてこられた先は、貸し切りボート。スイーツとフルーツやサンドイッチなどの軽食が並べられていて、ホテルの周りの海を一時間ほど回ってくれるらしい。
「ホテルでのランチって、チップのタイミングが分からないのでいいですね」
頭痛もしていたので、冷たい酸味のあるフルーツジュースが気持ちよかった。
「それは良かった。周りから君を大切にしていない男だと見られていたのは、遺憾だ」
「別に。私たちは一人で此処に来ているので、お互い他人なのにね」
この人は何も悪くないのに、他のお客にからかわれてしまって申し訳ないぐらい。
だって潜水艦も豪華客船クルーズも、彼がいなければ体験できなかった。
一人になりたくない夜に、恥ずかしい酔い方をした私に手もださない紳士的な人。
酔って醜態を晒している女性に手を出すほど、困ってないとも思うけど。
「他人、ね。まあ今はだけど」
彼は何故か勝ち誇った笑みを浮かべて、サンドイッチに手を伸ばしていた。
「俺ならば、君を此処まで逃げ出させるようなこと、しないけどね」
潮風に乱れる髪を、掴まれる。
真っすぐに見つめられて、心臓まで掴まれてーー心まで奪われてしまうかと思った。
「貴方は魅力的で自信に溢れているから、私の気持ちが分からないと思う」
振り切るように髪を押えて、真っ直ぐに見る彼の目を私も見つめた。