激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
彼と一緒に戻るとすぐに、ロビーで声をかけられた。
藍田(アイダ)は、美麻の苗字だ。手続き等を結構任せてしまったし、あの時はまだ少し混乱していたから、何か不備があったのかもしれない。
彼に視線を向けると、空気を読んで距離を取ってくれた。
ロビーで電話をかけさせてもらい、美麻に呑気に「どうしたの?」と聞くと不機嫌そうなうなり声が聞こえてきた。
「本当にどうしたの?」
「どうやったらあんな性格の悪い女が生まれてくるの。やばくない?」
性格の悪い女。
ただそれだけの言葉なのに、誰なのか私はすぐにわかってしまった。
「何があったの?」
美麻は重いため息を吐いた。
「あんたが連絡取れないからって、元彼が私の所に来て居場所をしらないかって。毎日毎日うざいったら。土下座しようとしたから踏んづけようかと思った」
「それは申し訳ない」
「それだけじゃないの。あんたの身内が、アンタの会社に事情を説明して行方不明になったから居場所をしらないかって連絡しようとしてるの」
な。
そんな連絡されたら、私が婚約者を姉に奪われて傷心だとばらされてしまう。社会的に抹殺されるはずの相手に、やりがいのある会社の居場所まで奪われるなんて冗談じゃない。
「で、目の前で土下座しようとして私に顎を蹴られた馬鹿に代わるね」
「えっーーええ」
何が何やら分からず、つい大きな声が出てしまった。