激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
「彼女に何か被害があれば、許さないよ。黙って指でもくわえて帰国を待ってな」
そのまま通話を切ると、受付に返してくれた。
そして口を押さえる私の背中を優しく撫でてくれる。
「大丈夫?」
気持ちが悪い。
私がどんな気持ちかも知らないで、居なくなった今、会社まで来ようとするなんて。
私の全てを壊さないと気が済まないの?
「・・・・・・酔って貴方に何を話したか分からないけど、それ全部嘘だから」
やんわりと引きよせられていた胸を押して、距離を取る。
「私は、何もかも煩わしくて捨てただけで、本当にもう誰とも関わりたくないの」
だから私をもう放っておいて。
発狂しそうなほどの怒りで満ちた自分を誰にも見られたくないの。
「嘘だね」
彼が逃げる私の腕を掴むと、抱きしめてきた。
今までで一番強く、そして香るのはラストノート。ああ、こんなに強く惹かれる香りにはもう二度と会えないとさえ思う。
「傷つきたくなくて逃げているだけ。君は本当は、一人が怖くて、意地を張ってるだけだ」
俺だけにはわかる。
そう言われてしまえば、もう止められない。