激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
「君の発言通り、凄いお姉さんだな」
「私の発言って」
「ハワイの夜、酔っていたときだよ、美優」
エレベーターの中、逃げられない状況。
私は彼の顔を見ることが出来ずに、タブレットの企画書へ目を通す。
そして彼の名前とさきほどの会社の名前を見て驚いた。
この会社のステンドグラスを見て、デザイナーに憧れた時もあった。
姉に奪われて諦めてしまったけど、私が惚れたステンドグラスの会社だ。
「日本と提携しているハワイの教会も、うちのステンドグラスを使うことになってね。挨拶と接待で偶々訪れたんだ」
私の心を読むように、彼が言う。
「それで俺と君は、ハワイで再会する前に一度、ステンドグラスの下で会っていたりする」
彼がタブレットを奪い、私の頬を上へ引き寄せる。咄嗟のことで、私はされるがまま彼の目を見つめてしまった。
「だから今日、俺と君が再会することは必然だったんだよ」
一生で一度、この人しかいないと燃え上がるように恋に落ちたような、夢だった。
現実はそんなに甘くないし、どうしても忘れられない匂いと香りは、今も私の身体に残っている。
恋だけで生きていくのは、若くない。
感情だけでは信じていけない。
だから、できれば二度と会いたくなかった。
再会を望んではいなかった。