激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
「ステンドグラス会社『Madonna』副社長?」
姉が呟いた会社名に私も目を見開く。私がバイトしていた式場のステンドグラスもそうだし、教会ではほぼそこの会社のステンドグラスを使っているはず。日本で一番の大会社だ。
「はい。そこで副社長をしています。貴方が彼女の恋人を引き取ってくれたおかげで、口説けるようになって感謝しています」
姉が呆然としている間に、私の方へ向き直った。
「社長も待っているので、会議室へ向かおう」
「ど、どういうこと?」
ぽかんとしている私に、彼は目配せした後耳元で囁く。
「俺の話に合わせて。追い払いたいだろ?」
状況を理解するために頷く。
姉をちらりと見た後、私は彼の方へ近づいた。
「とにかく、私は優希にはもう1ミリも未練は無いから、好きにしていいよ」
彼は手に持っていたタブレットを私に渡して、打ち合わせ用の企画書を見せると、姉に背を向けた。
本当に興味が無い様子で、さっさと離れていく。
姉と私は、何がどうかわからないまま、彼のペースに合わせてその場を逃げるしかできなかった。
エレベーターに乗る際に姉の方へ振り返ると、悔しげに私を睨み付けているのが見え、彼がドアが閉まる際、姉に見せつけるように私の腰を引きよせたのだった。