激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
「えっ」
改札口から出てきたのは、宇柳さんだ。
これには私も驚いて、言葉が出てこなかった。
「すごい偶然だな。待っていてくれたわけではないよな」
「いえ。友達と飲んでたので」
正直に言うと、露骨に残念そうな顔をされた。
「じゃあ送ろう。秘書が車をここまで回してくれている」
状況も知らない彼はとても紳士的で優しい。こんな弱っているときに現れるなんて、まるで王子様か物語のヒーローみたい。
「大丈夫です。家の前に親が来ていて、帰れないんで」
思わずため息が零れ落ちた。
「どうしてこうなってしまったかな。部屋の更新、次は半年後なのにさ」
確かに両親的には要領もよく可愛い姉は自慢かもしれないけど、せめて私にばれない程度に贔屓してよ。
私が我慢すれば、傷つくってわからないのだろうか。
「まあ、いいです。今頃親離れってか遅く来た反抗期ってか、諦めるしかないです」
今は現実を受け止めて、諦めるのみ。
今からお互い理解して歩み寄るには、精神的に私だけ削られていくのは火を見るよりも明らか。
子どもは親の言うことを聞かないといけないと、あの両親は思ってそう。
それに傷ついてたら、私も前を歩けない。
「おやすみなさい。今日は大人しくビジホ行きます」