激甘御曹司は孤独な彼女を独占愛で満たす
「……そんなに私に執着するようなこともないですよ」
「俺だって戸惑ってるよ。そのうち、姉と違って面倒じゃない相手を見つけれたらいいと思ってたから」
最低。……最低すぎる。
最低だし私の事、面倒って思ってるじゃない。
「でも、俺はずっと震えて心が壊れそうな君を幸せにしたかったのかもしれない」
首筋を、彼の唇が上へ這っていき、顎に口づけるとゆっくりと唇に触れてきた。
なんで私は金縛りにあったかのように、動けないでされるがままなんだろう。
心臓がどきどきして熱い。なのに彼の言葉を聞くと、なんだか放っておけないって気持ちになる。私を求めてくる彼の気持ちが、嘘じゃないんだと気づかされる。
「……帰る! 家に帰ります!」
このままお互いの体温を繋げていたら、変な気持ちになってしまう。おかしくなる。
そう思って急いで離れた。今度は彼は追いかけてこなかった。
ただ私の手を掴んでいた指先を眺めて、そしてグッと閉じて握りこぶしにすると、力なく下げた。
「帰る場所がないなら、俺のマンションに今日は来ないか」
「いえ、ビジホで大丈夫です」
「何もしない。恋人になるまでは、なにも」
そんな含みを込めた言い方では、益々警戒してしまう。
だってすでにキスはしてしまっているし。
今の私は、このままズルズル受け入れてしまいそうで、怖い。