白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

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 琥白は、疲れて眠るふたばを抱き上げ、ベッドに横たえる。
 涙のあとを指で拭きとって、それからもう一度眠るふたばに口づけた。

 先ほどまでふたばが何度も眺めていたパリの街並みの絵をふたばの眠るベッドサイドに置く。
 それから自分のスマホを取り出して、画面を見つめた。

【3. 時々でもいいからパリの景色を見せること】

 画面にはそんな文字が浮かんでいた。

「……これでいいんだよな?」

 小さくつぶやいた琥白の声は、夜の闇の中、ふわりと浮かんで溶けていった。

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