白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 私は焦るが、愛華さんはばたんとテーブルに倒れると、
「本当に……好きだったんだけどな」
と呟く。

 はっきり愛華さんから聞いたことはなかったが、私だってそのこと……わかってたと思う。

 愛華さんと琥白さんは高校の時の同級生だ。そして叔父さん……うちの社長の妻側の従兄が愛華さんの藍沢グループの社長なのだ。これまであまり会ってはいなかったが、愛華さんと私は遠縁の親戚で、かわいくて人当りのいい愛華さんは叔父のお気に入りでもある。

「ふたばのせいじゃないの。責めてるわけでもないのよ? ちょっと刹那的になってるだけかも」
「刹那的って……?」

 聞いたところで、目の前に見慣れた人物が現れた。

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