白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
「……全部? 全部って?」
「全部よ。全部知ってたの。ふたば一緒にいて、感じなかったの?」
「多少は……何か見透かされているような気はしていたんですけど」
琥白さんは、私が琥白さんを浮気させようとしていたのだって知っていた。
それが『全部』ってこと?
ーーーそうだよね……?
「あの人、そういうところ、昔からあるの。基本的に人を信用してないのよね」
愛華さんは言う。
愛華さんは琥白さんと高校の時からの付き合いだし、琥白さんの事、私より良く知っていると思う。
それに愛華さんが琥白さんをちゃんと好きだってことも私は知っていたと思う。
だからこそあの提案に乗ったのだ。
「あの日……送ってもらった日ね、あんな琥白初めて見たわ。ふたばとなら、自然でいられるのかなと思った」
「そんなことないです」
私はつぶやく。
それが嬉しくないわけじゃない。
でも、琥白さんだって、今は手に入らないものに必死なだけだ。
私の気持ちが自分にあるってわかると、すぐに飽きると思う。男の人なんて、きっとそういうものだ。