白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

「なにか珍しいケース?」

 こちらを見透かすように、まっすぐ見られるとなんだか落ち着かなくなるのは、その職業のせいだろうか。

 俺は息をのむと、

「幽霊が見えるってこと……あると思うか?」

と聞いていた。
 晴信は少しも驚くこともなく、

「幽霊? まぁ、実際いないとも限らないよね。幽霊のカウンセリング、やってみたいなぁ。聞きたいことがたくさんあるよ」

と微笑む。

「バカ言ってるなよ」
「ごめんごめん」

 息を吐いて、自分が今まで緊張していたことに気づいた。
 さっきのくだらない話で、随分リラックスしていたようだ。

「ある子が、死んだ兄の幽霊に会いにパリまで行ってる」
「……それって昌宗の妹のふたばさん?」
「え……」

 突然言い当てられて、俺は目を白黒させる。

(こいつは精神科医じゃなくて、超能力者か何かか……?)
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