白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 突然の出来事に、私は目を白黒させる。

「こ、琥白さん……何を勝手に!」
「ん? ふたばじゃ言えないだろうと思ったから言ってやっただけ。社長、焦ってたぞ」

 そう言って琥白さんは腹黒そうな笑みを浮かべる。

(何この人……こんなキャラだった……?)

 さらに、私の髪を撫でると、

「ふたばは、会社のデスクも全部綺麗に片づけてたろ? どうせ、いついなくなってもいいようにって思ってたんだろうけど……そんなことしてたら、俺にとっては逆に好都合なだけだからな?」

 と微笑んで言い放つ。

(なんなの、なんなのよぉおおおおお……!)

 私がキッと琥白さんを睨むと、琥白さんは目を細めて、私を見つめる。そして口を開いた。

「だから、ふたばは何も心配せずに俺のそばにいろ」

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