白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
―――なんでそんなこと、言うのよ……。
気づいたら私は、ボロボロと泣いていた。
「ふたば? そんな嫌だった……?」
「ふぇっ……何もできることなくても、私があそこにいることで……お兄ちゃんが少しでも後ろめたい思いしないでいいようにって……。だから、天橋不動産で頑張るって決めて……大した仕事なくてもミスだけはしないようにってずっと……!」
ずっとそう思ってやってきた。
兄はもっと苦しかっただろうからって。
「……そうか」
琥白さんは静かにそう言うと、優しく私の頬を撫で、涙をぬぐう。
それでも、私の涙は流れ続けた。