白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

「ありがとうございます」

 私は自分から琥白さんの唇にキスを落とした。
 ちゅ、ちゅ、と何度か楽しむようにキスをした後、唇が離れて……。

 また額を合わせて、微笑み合う。


「ふたば、愛してる」
「私も、琥白さんのこと好きです。愛してる。ずっと、これからも琥白さんのそばにいさせてください」


―――今、私は琥白さんとの未来の香りを楽しみにしてるから……。


「もちろんだ」

 琥白さんは私を抱きしめている腕に力を込めた。私がその心地よさに目を瞑ると、さらにその腕に力がこもる。

 また目が合うと、貪り合うように唇を合わせる。

「ごめん、まだ収まらなくて。次はできるだけゆっくりするから」
「ちょ、もう十分しまし、んんっ……!」

 叫びかけてその唇は琥白さんに奪われる。

 それから、そのままもう一度、私たちはベッドの波間に沈んだ。
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