白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 不安定な彼女を、何度も何度もこちらに引き戻すように、語り掛けて、抱きしめて……。


―――自分がふたばに、
 この世界の色を、輝きを、未来の芳しさを、気付かせてあげたかった。


 実際それがうまくいったのかは分からない。
 でも、彼女は間違いなく、変わった。

 俺はそのことが嬉しくて、
 笑った彼女の笑顔がただ愛しくて……泣きたくなった。
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