白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
昌宗は自分もコーヒーを一口飲むと、
「そう言えば、ふたば、会社の人に告白されたって、この前会ったとき言ってた。もちろん断ったらしいけど、それ聞いたら、余計に焦っちゃって」
と息を吐く。
その言葉に、なぜだか聞かずにいられなくて
「……ふうん。それ、どんな奴?」
と低い声で聞いていた。
「それがさ、顔はいいけど、手が早いって噂の嫌な奴でさ! ふたばには、そういうのまだ早いよ! まだ26なんだから!」
そう声高に叫ぶ昌宗を見て、思わず苦笑する。
知ってたけど……。
「この重度のシスコンが……」
俺が嫌味に言っても、昌宗は、そうだよ、とあっさり認めた。
「これじゃ、ふたば、誰とも付き合えないだろ」
「僕さ、ふたばと付き合うやつに言うこと、もう決めてるんだ。びしっと言ってやるよ。あ、でも泣いて言えないかなぁ」
(付き合うごときで兄貴が妹の彼氏に涙ながらに何を言う気なんだ……)
思わず、「……何を?」と眉をひそめて聞いていた。
「これだよ」
じゃーん、と言いながら、昌宗はスマホを出して操作する。
そして、すぐに自分のスマホにそのメールが届いた。
「なんだ、おい。勝手に送るなよ」
「これ、ふたばと付き合うやつに言おうって思って、スマホにメモったんだ!」
ふふん、とばかりに昌宗は言い、俺は怖いもの見たさでその画面を開く。
ーーーその画面に映っていたのは……。