白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 その日、目を開けると、琥白さんが目の前で「おはようございます」と微笑んだ。
 お互い向き合う形になって寝ていたみたいで、琥白さんの顔から視線を下に逸らしても、琥白さんの胸元が目の前に見える。

「ひぃっ……!」

 思わず叫んでしまってから、自分の手が琥白さんの背中を掴んでいることに気付いて、さらに驚いて手を放して、慌てて起き上がった。

(え? どういう状況? 私が琥白さんを掴んでいたってこと?)

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