白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 そう言われて、私は愛華さんを見る。

 それもそうかもしれない。
 でも、私は、誰とも結婚する気がないし、そのうえ、誰かと子どもを作って家庭を作るなんて未来の想像は一ミリもできないのだ。

 私は愛華さんを見つめると、
「琥白さんは私ではない人がお相手の方がいいと思います」
と言った。

「琥白のこと、嫌いってわけじゃないのね?」
「……苦手です。全部」

 いつだって、ああして愛情があるように見せてキスしてくる琥白さんも苦手だ。
 そして、相手は選び放題のくせに、私なんかに固執する琥白さんも……。
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