白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい

 琥白さんの言葉があまりに意味不明で大混乱中だと言うのに、私の言葉を聞いて、琥白さんはほっとしたように息を吐いた。

「なら安心した」
「……安心って」

「俺に嵌っても、なんの問題もないだろ」

「この自意識過剰男っ」

 思わずそんな言葉が口を突いて出る。
 琥白さんは以前と同じように目を細めて私を見ると、私の頭を遠慮なくガシガシと掻いた。

「そんな風にはっきり本心言ってるほうがふたばらしい。俺の前ではずっとそうしとけ」

(なによそれ……)
< 62 / 232 >

この作品をシェア

pagetop