白檀の王様は双葉に芳しさを気付かせたい
 結局その日、琥白さんに会社まで送ってもらって、会議にはしっかり間に合った。
 よかった。……よかったんだけど、なんだか複雑な気持ちだ。


 このまま借りを作るのもなんだから、何かお礼でもしよう、と思ったとき、琥白さんの好きなものは何も知らないことに気づいた。

 私たちは、それだけの関係だ。
 これからもそれ以上の関係になる気もない。

 だから……これ以上、あまり琥白さんの存在を大きくはしたくない。
 琥白さんのことを考えると、やけに胸がざわつくのだ。

(もっとちゃんと距離を置いて、もう少し冷静に対応しなきゃ……)
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