スタンドバイユー

「もうっ!!」




「怒んなって。いいから、ここにおいで」



彼が両手を広げる。




あたしは迷わず、その大きな胸へ飛び込んだ。





へへ。



あったかい。




「なぁ、好」




大きな胸から、直接あたしに届く優しく声。




嬉しい。





「うん?なぁに?」




「明日、デートしようか」





「ええっ!明日お休み?」




びっくりするあたしに、彼がつづけた。




「そー。1日中、オフ」




「本当っ?本当に?やったー。うれしっ!!」



大はしゃぎするあたしを彼はニコニコ見てる。




「どこ行くか決めとけよ。明日、9時頃迎えにくるから」





「えっ?あたしが決めてもいいの?でも…」




そっか。



写真撮られちゃったりしたら大変なんだよな。





人の少ないとこってどこだろ…?




「あっ、お前余計な心配すんなよ。買い物でも映画でもなんでもいいからな」




あたしの心配を見透かしたように彼が言った。



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