一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「怒られるような話には聞こえないが。得意科目があるなら充分じゃないのか」

「ふたりとも私を医者にしたかったの。だから理系科目が得意でいてほしかったみたい。私はむしろそっち方面が悲惨だったから」

 逆に言うと、両親は医者以外の道を認めなかった。それ以外の未来は落ちこぼれ。彼らの望む将来へ進めない私は必然的にその落ちこぼれの扱いとなったわけだ。

「洋書を読みたいって言ったらかわいげがないって言われて。留学の話を出したら私みたいな出来損ないには贅沢すぎるって叱られた。ふたりと話が合わない私はつまらない女で……。美人でもないし、勉強もできない私には一生恋人なんかできないだろうって……」

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