一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 説明を受けずともふたりがすぐに深冬のご両親だとわかったのは、男性の切れ長の目が彼によく似ていたからだ。

 智秋さんたちもいるなら叱責はないだろうと思いたいが、私と深冬の唐突な結婚に対して言いたいことはあるだろう。それを思うと食事会は気が重い。

 簡単な自己紹介を済ませてさっそく食事を始めると、まず最初に智秋さんが話しだした。

「一家揃うのも久々だな。深冬は全然こっちに帰ってこないし」

「お前は実家が職場だからいいかもしれないが、俺は違う。だいたい家に寄りつかないのは父さんたちも同じだろう。一年のうち、どれだけニューヨークにいると思っているんだ」

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