一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 深冬の愛を失いたくないからこそ、ちゃんと自分自身の気持ちと向き合いたかった。



 皐月さんが訪れてから十日が経った。

 個人的にはまだ十日しか経っていないのかという気持ちではあるが。

「高級レストランの味にもちょっと飽きたな。なんかいい店を知らない? 安過ぎず高過ぎず、穴場っぽい場所がいいな。創作イタリアンみたいな料理が食べたい」

「こちらにリストがありますので、よろしければご覧ください」

 彼は無茶振りをするが、内容は具体的でわかりやすい。

 ほかにもこういった話を持ち込むお客様が少なくないため、周辺のレストランはすべて事前にリスト化してあった。

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