一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 深冬は少しはだけた私の襟を整えると、まだ物足りないと言いたげな瞳で見つめてくる。

「仕事以上のわがままは絶対に聞くな。お前がわがままを聞いていい相手は俺だけだ」

「……子供みたいなことを言わないで」

 文句を言った私にもう一度キスをすると、深冬は先にリネン室を出て行った。

「あなたのわがまましか聞けないように、私も変わりたいと思ってるところなの。気持ちはわかるけど、もう少しだけ待ってくれる?」

 誰もいなくなった部屋に私のひとり言が落ちた。

 彼の唇に触れられた場所が火照っているせいで、身体の芯が焦げたのかと思うほどじりじりした疼きに襲われる。

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