一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
鼻歌でも歌いそうなくらい満足げな皐月さんの後を一歩引いてついていくと、エレベーターに向かう途中で赤いコートに身を包んだ女性が通りがかった。
お客様だろうか。でもこんなに真っ赤なコートを着た女性は見かけなかった気がする。
小さな違和感を覚えながら横切ろうとすると、突然腕を掴まれた。
「恭介と別れろ!」
いったいなにを言っているんだ――と開きかけた口が恐怖で凍り付く。
目を血走らせた女性は手に包丁を持っていた。
「橘さん!」
背後の騒ぎに気付いた皐月さんが駆け寄ろうとするも、女性は包丁を振り回してそれを拒む。
お客様だろうか。でもこんなに真っ赤なコートを着た女性は見かけなかった気がする。
小さな違和感を覚えながら横切ろうとすると、突然腕を掴まれた。
「恭介と別れろ!」
いったいなにを言っているんだ――と開きかけた口が恐怖で凍り付く。
目を血走らせた女性は手に包丁を持っていた。
「橘さん!」
背後の騒ぎに気付いた皐月さんが駆け寄ろうとするも、女性は包丁を振り回してそれを拒む。