一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 深冬にはまた難色を示されるだろうが、そこはうまく説得しよう。

「きみのおすすめ通り、あのアクアパッツァは本当においしかった! だけどまたシタビラメに出会えるかはわからないんだよね。僕が食材を用意したらそれで作ってくれないかな?」

「うーん、どうでしょう。地元の漁師の方とお知り合いだと仰っていましたし、そちらからの仕入れを優先させるのではないでしょうか?」

「ああ、残念だ。でもその方が未知の味に出会えて楽しいな。あと五枚くらいサイン色紙を置いてくるんだった」

 彼が運転する車でアモラリアへ戻り、地下の駐車場に出る。

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