一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「本当にな。俺の知らないところで皐月とデートするからだ」

「デートじゃないよ、あれは……」

「嫌味を言ってみただけだ。そんな顔をするな」

 彼の右手が私の頭をなで、涙の跡が消えた頬をくすぐる。

「どうしてあそこにいたの?」

「たまたま皐月恭介がコンシェルジュデスクに駆け込んだ場にいたんだ。お前が危ないと知って、スタッフに指示を出す前に身体が動いていた」

 この人は私を守るためだけに来てくれたのだ。

 それがうれしくて、こうしてぬくもりをわかち合えている喜びに目を閉じる。

「あの女性はどうして皐月さんがいるのを知ってたんだろう。それともファンってそういうものなのかな」

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