一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 その夜私が帰宅すると、待っていた深冬にいきなり抱き締められた。

「無事でよかった」

「あなたが無事じゃないんだから全然よくないよ……」

 私を離そうとしない彼を落ち着かせてソファへ向かう。

 深冬は座ってからも私を自分の腕の中から出そうとしない。

「利き腕ではないし、傷もすぐに塞がる」

「そういう問題じゃないでしょ」

 傷に障らないよう彼の胸に顔を埋め、私も抱き締め返した。

 突き放すような言い方にはなってしまったのは、まだ恐怖が抜けていないせいだ。

 自分が殺されてしまうよりも、彼をひとりにするかもしれないことが怖かった。

「守ってくれてありがとう。……ごめんね」

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