一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
 前髪をかき上げられて額にキスをされる。

「再会した時からわかっていた。お前の気持ちがまだ俺に残っていることなんて。もともと離婚してやるつもりはなかったしな」

「期限付きの契約結婚をすぐ受け入れた理由はそれ? 全然渋らないからおかしいと思ってたの」

「思った通り、お前は半年経たずに本当の気持ちを認めたな」

 気付かない間に彼の手のひらの上で踊らされていたとでもいうのだろうか。

「俺は好きだと伝え続ければよかった。お前が余計なことを考えずに応えるまで」

「もし私がなにも言わなかったらどうするつもりだったの?」

「ありえない。必ずお前は俺を受け入れる」

< 198 / 261 >

この作品をシェア

pagetop