一夜では終われない~ホテル王は愛しい君を娶りたい~
「ああでも言わないとわからないだろうから言っただけだ。……というより、咲良さんたちをどうこうするよりも咲良さんに協力を仰いで反省させた方がずっと効果がある」
そう言って深冬は鼻で笑った。
「なにが弱点だ。自分だって同じだろうに」
「そこは兄弟なんだね。奥さんに弱いんだ」
「執着心が強いのもそうかもしれないな。俺は十年お前だけを想い続けたし、智秋は……一度離婚した後も咲良さんを追いかけ回したし」
「えっ。その話、詳しく聞きたい」
「また今度な」
かすめるような口づけが私の疑問を封じ、車内の空気を一気に甘く変える。
そう言って深冬は鼻で笑った。
「なにが弱点だ。自分だって同じだろうに」
「そこは兄弟なんだね。奥さんに弱いんだ」
「執着心が強いのもそうかもしれないな。俺は十年お前だけを想い続けたし、智秋は……一度離婚した後も咲良さんを追いかけ回したし」
「えっ。その話、詳しく聞きたい」
「また今度な」
かすめるような口づけが私の疑問を封じ、車内の空気を一気に甘く変える。